特集
~みんなのオーガニック~
有機の生産者とシェフの交流イベント~こだわりの味わいをレストランから

生産者たちのこだわりが詰まった野菜やお米、お茶など様々な農作物。それを仕入れて料理として提供してくれるレストランなどの飲食店も、全国各地の農業と私たち消費者をつないでくれる重要な存在です。
7月1日、首都圏のレストランで活躍する40人ほどのシェフやバイヤーらが都内ホテル内にあるレストランに集まり、有機農業者が持ち寄った野菜や料理を試食し、交流するイベントが開かれました。群馬県が主催し、「GUNMA Organic × TOKYO CHEF」と題されたこのイベントには群馬県内の8者の有機農業者が食材提供、うち6者の有機農業者が現地参加し、自社商品の魅力をアピールしました。
参加した有機農業者は(株)ジャングルデリバリー、ぱくぱく農園(いずれも館林市)、(株)ビオベジ(太田市)、自然工房堀込農園(富岡市)、ゆあさ農園(高崎市)、上州百姓「米達磨」(藤岡市)。また、合同会社あめつちのうた(嬬恋村)、オーガニックファーム創葉舎(榛東村)が食材を提供しました。

担当する群馬県農政部ぐんまブランド推進課の有田課長によると、「首都圏の販路開拓支援として、これまでは自然食品専門店で県産有機農産物を販売するフェアを施してきたが、シェフや飲食店関係者向けの交流イベントは初めての試み」だといいます。
企画と運営を担ったのは、オーガニックの流通促進に取り組む一般社団法人日本有機農産物協会と、飲食店や小売店向けの食材卸業に取り組む(株)eff(エフ)。日本有機農産物協会の野中誠二代表理事は「日本の有機農業の取組面積は、まだ耕地面積全体の0.7%。これをさらに広げるには、消費者が有機農産物の魅力に触れる機会を様々なかたちで増やしていくことが重要。そこで、おいしい料理に表現してくれるシェフたちと生産者が直接やりとりし、魅力を実感してもらう場をつくりました」とその狙いを話します。

参加企業の1つ、(株)ジャングルデリバリーは、県内の耕作放棄地を活用して、お茶やオリーブオイルの商品づくりに取り組んでいる農業ベンチャー。5月にロンドンで開催されたオリーブオイルの国際的品評会で、世界33カ国の約1,000ブランドのなかから「シルバープライズ(銀賞)」を入賞したという「ゆず風味」をはじめとする、10種類の「インフューズドオイル」を紹介。参加者は、様々な風味のオリーブオイルを順にパンにつけて、味の違いを楽しみました。

オーガニックでこだわりの野菜づくりに取り組む(株)ビオベジは、ズッキーニやなす、ツルムラサキなどの新鮮な野菜をお皿に盛りつけて提供。代表の鈴木かすみさんは「我が子に食べさせる、そんな思いでつくった野菜を届けたい」と語ります。

群馬県は今年8月を「オーガニック月間」と位置づけ、都内のレストラン5店舗と連携して県産有機商品を使用した期間限定メニューを提供する企画も実施する予定です。
連携するレストランの一つ、モダンインドレストラン「ニルヴァーナニューヨーク」(東京都港区)の引地翔悟シェフもこの日のイベントに参加し、「私自身も30代ですが、私やより若い世代の人たちにとって、食を通じてサステナブルな社会をどのように実現していくかは、とても重要なテーマだと考えています。そうした思いをもって日々取り組んでいる生産者の話を直接聞ける機会は、とてもありがたい」と話しました。

(記事中の写真はいずれも群馬県提供)
(https://34c5459c.form.kintoneapp.com/public/bio-restaurant)